蚊が媒介する感染症 ~デング熱~

2014年9月2日

 森田内科クリニック院長の森田義宏です。

  

 最近、デング熱という言葉をよく耳にしますが、デング熱とは蚊に刺されることによって感染する病気です。ネッタイシマカ(日本にはいません)やヒトスジシマカ(日本にもいます)によって媒介されるデング熱ウィルスに感染することにより発症します。これまでは海外で感染して、帰国後に発症する人が年間約200人ぐらいいたのですが、今回のは海外への渡航歴のない人が感染しました。渡航歴のない人がデング熱に罹ったのは、70年振りだそうです。おそらく、海外で感染して帰国した人の血を吸った蚊に刺されたために、国内で感染したと考えられます。デング熱を媒介するヒトスジシマカは東北地方にはいませんでしたが、温暖化の影響で、蚊が北上し、最近では東北地方にも生息するようになりました。ですから、山形県でもデング熱に感染する可能性は十分に考えられます。

 デング熱の潜伏期間は3~14日(4~7日が多い)です。症状は発熱、頭痛、眼窩痛、高度の筋肉痛を伴い、解熱時期になると全身に発疹が認められます。通常1週間程度で回復しますが、なかには重症化してデング出血熱となり、生命の危機になる場合もあります。現在のところ治療薬やワクチンなどは存在しませんので、対症療法しかありません。人から人には感染しませんので、とにかく蚊に刺されないようにする事が一番重要です。

 蚊に刺されることよって感染する怖い病気はまだまだあります。日本脳炎やマラリヤ、ウエストナイル熱(脳炎)などです。なるべく蚊に刺されないように注意する必要がありそうですね。

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