最近話題の感染症について

2015年7月9日

お久しぶりです。森田内科クリニック院長の森田義宏です。

今年度になってからいろいろと仕事が増えまして、なかなかブログの更新が出来ず、大変失礼いたしました。
ブログでも紹介しましたが、6月より私どものクリニックに新しいスタッフが仲間入りしました。看護師の渡部さんと医療事務の成田さんです。
これまで以上に地域のみなさんのお役に立てるよう、スタッフ一同努力して参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて本日は最近話題の感染症について簡単に書いてみました。

(1)マダニを介する感染症
  
  ①日本紅斑熱
   ・病原リケッチアがマダニを介して体内に侵入することにより発症する病気です。
   ・潜伏期間は2~10日です。
   ・突然の高熱、全身の発疹、刺し口が特徴です。
   ・一部の抗生物質が有効です(一般的な抗生物質は無効です)。

  ②重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
   ・SFTSウィルスがマダニを介して体内に侵入することにより発症する病気です。
   ・潜伏期間は6~14日です。
   ・高熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、刺し口が特徴です。
   ・血小板が減少し出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)を起こし重症化する
    ことがしばしばあります。
   ・有効な治療法はありません。

(2)蚊を介する感染症
  
  ①デング熱
   ・デングウィルスが蚊を介して体内に侵入することにより発症する病気です。
   ・ウィルスには4つの型があり、どの型によっても同様の病気が起こります。
    同じ型のウィルスに再び感染しても免疫によって軽症ですみますが、
    異なる型に感染すると免疫が過剰に反応し重症化することがあります。
   ・潜伏期間は2~15日(多くは3~7日)です。
   ・突然の高熱で発症し、頭痛、筋肉痛、骨関節痛を呈します。
   ・発症後3~4日後、胸腹部、背部から始まる発疹が出現し、四肢、顔面に
    広がります。
   ・出血症状を起こして重症化する場合があります。
   ・有効な治療法はありません。

(3)中東呼吸器症候群(MERS:Middle East Respiratory Syndrome)

   ・2012年に初めて確認されたウィルス性の感染症です。
   ・原因となるウィルスはMERSコロナウィルスと呼ばれています。
   ・現在、主に中東地域で患者が報告されています。最近では韓国での流行が
    注目されています。
   ・主な症状は発熱、咳、息切れです。高齢者や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全
    などの基礎疾患のある人は重症化する傾向があります。
   ・潜伏期間は14日以内です。
   ・飛沫感染(咳やくしゃみなど)、接触感染と考えられています。
   ・インフルエンザほど感染力は強くないと考えられています。
   ・有効な治療法はありません。

これからは野外での活動が増えるかと思いますが、マダニや蚊に刺されないようにするには肌を露出させないことが重要です。
また、虫よけスプレーなども上手に活用しましょう。

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